2012/06/12

魔法にかかって。


いつもより丁寧にメイクをして。


見られないと分かっている靴でも、足の爪には赤のペディキュアを。
手の爪には服に合う色を。


何を着ていこうか、何日も前から頭の中ではクローゼットの中にある服が頭の中を支配。
何度も靴とバックを変えては何度も鏡の前に立ってみる。
予想外の雨と気温の低さに、羽織るものを変えて、それに合わせて先日買った2つの傘の中から水色をチョイス。



予約しておいた美容院へ向かい、髪の毛をセット。
カチカチに固めるヘアセットはちょっと苦手。
理想は自分でやったよりも少し凝っていて、かと言っていかにも美容院でやったと分からないくらいの自然なセット。
それが理想。



具体的にしたい髪型を伝えて、それを魔法の手で叶えてもらう。
特別な日だけの特別なカールヘア。
雨に一滴も濡れたくないと言わんばかりに傘を握りしめて、美容院をあとにする。



ちょっとおめかしした姿に、目的地に向かう電車の中で小さな女の子が目を合わせてくる。



「おめかし」

「特別な日」

「ドレス」


小さな頃から大好きなワード。


ちょっと早めに着いた時の頼りはやっぱりスタバ。
1ミリの剥げもないネイルを載せた手で、iPhoneを慣れた手つきで操作する。
待ち合わせしてる子がおめかしにワクワクしてる様子も、ツイッターのつぶやきで伝わってくる。



待ち合わせ10分前。


雨に濡れてもいいヒール靴から、持参したパーティ用の靴へと履き替える。
コツコツと音を立てるパーティ用のヒール靴で歩く、ちょっとおめかしした私は、心なしかいつもより背筋が伸びてる気さえする。



そして向こう側で見つけた友達。
みんなキレイ。
いつもよりちょっとおめかしした友達の姿に、私の心も踊る。



ドレスや髪型を褒め合う姿は、男性から見たら奇妙な光景である事間違いなしであろう事は重々承知している。
でも実際。目の前にいる友達は最高に「かわいい」のである。



いつもよりおめかしした彼女達の姿は、いつも以上にキラキラしていて、それが純粋に嬉しいのだ。
時間が来るまでに、化粧室でみんな最終チェック。



会場に入り、この日ばかりは周りを見渡しても猫背でイスに寄りかかって座る女性は少ない。
だってみんなおめかしして来たんだもん。



ただ、どんなにいつもよりもキラキラしていても、どんなにいつもよりもメイクを丁寧にして可愛いドレスを着たとしても、足下にも及ばない美しさがある。


そう。この日は結婚式。


土曜日、私は友人の結婚式(1.5次会)に出席してきました。


新郎新婦の入場で高鳴る鼓動。
それは初めてお目に掛かる旦那様はもちろん、新婦となった友達のドレス姿へのドキドキ感が大きい。



意外や意外の色をチョイスした彼女のドレスは、はっきりしたキレイな黄色でした。
彼女からは想像も出来なかった色のチョイスに、私たちは大歓声。
意外性はもちろん、何よりも、完璧に似合っていたから!


ディズニーのお城にいるんじゃないか?って思えるくらい、はたまた、ここに天使がおりますよって言わんばかりの美しい新婦の姿に、2時間の1.5次会は顔がニヤけっぱなしでした。


19時から始まった1.5次会は21時に幕を閉じました。
たった一日の為に、たった数時間の為に、女子は自分に魔法を掛けるのです。


おとぎ話のように一瞬で変身出来る呪文はないけれど、選び抜いたドレスを身にまとって、マスカラを睫毛にのせて、爪や髪にだって時間をかけるんだから。


そんな風に一つ一つ変化していく過程が最高に楽しい!


そんな「ちょっぴりおめかし」の魔法にドキドキするのは、小さい頃からずっと変わらない。
そしてきっとこれからもずっと変わらない。
何歳になっても、「おめかし」する機会を心待ちにして、自分で自分に魔法を掛けるの。


電車の中で私を見つめた小さい女の子のように、私もお母さんの「ちょっとおめかし」を横で見つめてた。


早く塗りたかったマニキュア。
早く履きたかったヒール靴。


それを叶える為に早く大人になりたいと何度も思った幼い頃。
今では自分の手で自分に合う靴を選んで、少し背伸びをして歩いてる。
だから私はヒール靴をやめられない。


たまに思い出す、あの頃の自分。


こんな風に魔法にかかっておめかしした日には、決して会う事の出来ないかつての「小さな女の子だった自分」に見せてあげたい。
それを見てきっと「小さな女の子な私」は、「早く大人になりたい」って思うんだろうな。


「小さな女の子だった自分」に見せる事は出来ないまでも、21時にお開きになってバイバイしたその足で、私は真っ直ぐ家に帰る事なく途中下車をした。



帰って魔法を解くのは早すぎる・・・と思った私は、友達を呼び出し、カフェバーで待ち合わせた。


間接照明が良い感じの雰囲気なお店でひとり、サングリアを飲みながら友達を待てるのは、大人になったからこそ。
終電ギリギリまでカフェバーで楽しんだ私が家に着いたのは、とっくにシンデレラタイムが過ぎた深夜1時過ぎだった。



こんな日は寝るのは急がず、今日あったキラキラした1日、友達の結婚式や友達との楽しい素敵な時間の余韻に浸りながら、ゆっくり髪を解いてゆっくりメイクを落としていく。



魔法が解けていつもの私に戻って、少しほっとする。



そんな女の子な1日。



お洒落する時やメイクする時のわくわく感は、慣れる事なくいつも私を楽しませてくれる。
「かわいい」や「キレイ」に触れただけでハッピーになる単純な生き物な女の子。
きっとそのスイッチは神様から女の子へのプレゼント。



「女は大変」なんじゃない。

「女は楽しい」の。


少なくとも、私にとっては。




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